ジャポニスム・・・昔も今も?!
1ヶ月半ぶりに オランダへ戻りました。
たった6週間の間に、我が家のテラスはすっかり初夏の色に!
昨年買ったフレンチラベンダーLavandulaStoechasAnoukが満開になっていました(左写真)。
枯れてしまたと思っていたプランツも、いつの間にか絶えてしまったプランツも、元気がないなと思っていたプランツも・・・、みんな芽を伸ばしてました。
これからの季節が楽しみです。
家から一歩 外に出ると・・・ ・・・ ・・・
吹き荒れています!
いつもは4月末頃に散る ニレの種子が、まさに今!散って 舞いあがり 吹き荒れ 積もっています。
そう、まるで桜吹雪ように!
左写真はアムステルダムKeizersgrachtの街路樹。
この辺りはみんなニレ科の街路樹。
少し黄色っぽい緑の木に種子が満開のお花のようについています(写真右側手前の木等)。
写真左は お馴染み 西教会WesterKerkです。
アムステルダムは ヨーロッパでも代表的な”ニレの街”だそうです
アムステルダムに住み始めて 初めてこの種子を見た時は、”綺麗だなぁ”と思ったものです。
思わず かき集めたりしました。
とってもやっかいな”カサカサ”なのです。
”カサカサ”と音を立てて舞うので 私はそう呼んでいます。
吹き荒れて まとわりついて?家の中のどこまでも入ってくるし、バッグにまで入るし。
街のあちこちに(吹き溜まりは特に)ものすごい量のニレの種子が積もるし、運河も埋め尽くされるし、ホコリっぽいし、雨が降ればドロドロになるし・・・。
上の写真は歩道につもるカサカサ、今!街中こんな状態です!
ですが、これもアムステルダム!
この季節の風物詩です。
観光客も 街中に積もるカサカサ(ニレの種子)には ビックリするでしょうね。
さて、前置きが長くなりましたが・・・。
今回のブログは、日本のゴールデンウィークの思い出編第二弾です!
ゴールデンウィーク中の出会いについて。
・・・また出会ってしまいました~!!
心に残る名画に・・・。
名古屋で見納めというこの美術展・・・しかもギリギの日程で 駆け込みました。
『ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展 印象派を魅了した日本の美』(2015年1月2日~5月10日)
19世紀後半~20世紀初頭、日本の美術・工芸品が 西洋の美術・工芸・その他様々な分野に影響を与えた現象・・・と、日本美術の特性を採り入れて創作した西洋画家達の活動の事・・・を、フランス語でジャポニスムJaponisme、英語でジャポニズムJaponismというとのこと。
音声ガイドも借りて、じっ~くり ゆ~っくり鑑賞しました。
ついでに??ペンを忘れたので尋ねたら、鉛筆も紙も貸してくれました(美術館では ちゃんと用意されてるんですね)。
日本の美に魅了された 印象派画家さん達の 絵画の数々に、私も すっかり魅了されました~。
ゴッホやモネ等 印象派画家達が 歌川広重や葛飾北斎等の日本の絵画に影響を受けたということは、有名なお話。
今回の美術展では、歌川広重や葛飾北斎等の日本の絵画と、関連のある(似た構図等)印象派絵画を並べて 比べるような展示となっていたので、わかりやすかったです。
この展覧会の目玉は、クロード・モネClaudeMonetの「ラ・ジャポネーズ(着物をまとうカミーユ・モネ)LaJaponaise」(1876)。
この美しい表情、眩しく輝く赤、力強い武者の刺繍のある打掛、手に持つトリコロールの扇子、背景にリズミカルに描かれたうちわ、全体の構図・・・
釘付けになりました!!
モネがご夫人カミーユさんを描いた大作(231x142m)です。
「ラ・ジャポネーズ」は日本の展覧会に来る前に、2013年2月から1年以上かけて 修復されたそうです。
この絵のきらびやかさは その修復で一層増したのかもしれません。
というより モネが描き上げた時は、この鮮やかさだったのですよね、すごい!
左の写真は、館内に展示されていた着物(作品内でカミーユさんが着ている着物を再現したもの)。
この着物も素敵でしたが、モネの作品の中の赤い着物は さらに鮮やかでド迫力でした。
その修復の際の X線検査では 新しくわかった事もあったとか。
展覧会では新事実(構図の修正・サイズの補充・塗り方の詳細等)も 詳しく説明されていて、とても興味深かったです。
最後にモネの言葉が紹介されていました。
”陰による存在、断片によってその全体を表現する手法・・・等、昔の日本人達の趣向に魅了されたことが、作品の源泉の一つになっている”と。
とても心に残る言葉でした。
あらためて 日本美術・工芸を、日本人を 誇りに感じました。
『ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展 印象派を魅了した日本の美』・・・刺激たっぷりの美術展でした。
目にも 心にも 栄養が行き渡った感じです。
そしてさらに、時間旅行をした気分でもあります。
印象派画家達が必死に描いていた時代を思い浮かべながら・・・
当時、彼らの目にはどのように日本絵画や日本の文化が映っていたのだろう・・・と。
印象派画家が活躍した18世紀後半、飛行機もなく、もちろんインターネットもない時代。
今では簡単に外国へ行くこともでき、また もっともっと簡単に インターネットで世界中の情報をリアルタイムで見知りすることができます。
当時は(印象派の時代)、海外の情報やニュース、文化や芸術に触れる機会はきっと少なく、またそれに遭遇した時の感動や衝撃・・・想像するだけでも感激?!します。
当時の日本は・・・黒船来航におののき?!
鎖国から開国へ・・・そんな時代。
そんな時代に 世界の文化や美術に触れることができた貴重な場こそが”万国博覧会”だったと説明がありました。
なるほど~!
1862年ロンドン万博 ― 1867年パリ万博 ― 1873年ウィーン万博 ― 1876年フィラデルフィア万博・・・
万国博覧会を経て、日本の美術が西洋へ影響を与えたとのこと。
と同時に、日本の鎖国が終わってからは 世界の外交官や美術商が日本の絵画の普及に貢献したそうです。
そして今、再び ジャポネズリー?!
(ジャポネズリー=日本趣味・正確には日本美術への興味・関心)
アメリカからxx年も遅れ、ヨーロッパでは今(やっと?) 空前の?!日本食ブーム。
SUSHI(お寿司)やSAKE(日本酒)が人気です。
日本でも最近、ヨーロッパの日本食人気のニュースが 取り上げられていますが、今 急にブームになったわけではありません。
ヨーロッパで 誰も見向きもしなかった時代から、真摯に日本食を紹介し続けた先人達・日本人シェフ達がいたからこその”今”です。
食材の入手も難しく、人材も経営も 日本とは全く違う環境の中で、日本食を追求し紹介し続けてきたからこそ。
盛り上がるニュースを見ていると、少し違和感を感じることがあります。
それはさておき・・・
「地球に食料を、生命にエネルギーを(Feeling the planet, Energy for life)」をテーマに、ミラノ万博MilanoExpo2015 が始まりました(2015年5月1日~10月31日)!
イタリア・ミラノで ”食”がテーマの万国博覧会。
愛知万博からもう10年というのも驚きです!!
ミラノ万博で日本は「Harmonious Diversity - 共存する多様性- 」をテーマに、豊かな日本の食文化等を発信するそうです。
多くの人に”日本食”や”日本の文化”が伝わります。
モネの時代とは違い 情報溢れる今の時代の万国博覧会・・・。
世界中の人に何が伝えられるか、伝わるのか。
世界の人達には どんな風に映るのか・・・。
そして10年後、50年後、100年後 ・・・どんな足跡(影響)をヨーロッパに残すことができるのか。
今を生きる日本人の一人として、日本の文化や日本食を応援したいです。
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