アールスメーヤレポート=切り花・ロング編(2011年5月)=
このブログを書いている今日6月1日、フランスの取引先の担当者さんとのメールのやり取りの中で「明日はお休み、もう週末のようなものよ~、良い週末をね~」と なんだか浮かれた挨拶文が。
普段 季節を感じながら生活をしつつも、オランダの暦も 日本の暦も あまり関係なく仕事をしていますので、このメールを見るまで・・・忘れていました。
キリスト昇天祭日Hemelvaartsdag、今年は6月2日(祝祭日)。
気付いてよかった・・・お店がお休みになったり、営業時間が変わるので、2日に予定していたことを前倒しで済ませることができました。
今月は、また10日後位にキリスト教がらみの祝祭日があり、ヨーロッパの人々が なんだか浮かれ気分のシーズンです。
さて そんな6月になりましたが、「オランダのお花ブログ」では 5月後半アールスメーヤレポート、前回の続き 仲卸さんに並ぶ切り花をご紹介していきましょう。
今回は「切り花・ロング編」、夏らしく 丈の長いお花を中心に集めてみました(写真は仲卸さんに並ぶお花から)。
今回ご紹介するお花達もこのシーズンならでは・・・いろんな形?色・タイプがあって、個性を楽しみたいという方にはおススメの楽しいお花です。
それはアリウムAllium、そうです!皆様も良くご存知のネギの仲間達です。
ネギ坊主といえばわかりやすいでしょうか。
日本では デコレーションなどに大きなギガンジュームを良く見かけます。
アリウムの仲間達・・・それはそれは様々な形状、様々なカラーが存在し、流通しています。
左:ずらりと並ぶアリウムいろいろ
右:星のようなGlobeMaster、丈は80センチ
左:見た目はかわいいけど匂いはきつめ NactarosCordumSiculum、丈は110センチ前後
右:黄色のJeannine、丈は短く40センチほど
左:グリーンのもじゃもじゃAlliumHair(ヘア)、丈は短め40-50センチ
右: AlliumSchubertii、丈は45センチほどと短いけれど、花火のように広がる部分は直径30センチ以上のものも
左:まさにネギ坊主Puntmuts、丈は100センチ前後、つぼみの状態が個性的で面白いですが、いずれ咲いてきます。2度楽しめる!?
右:これはガーリック(にんにく)SatOphiosco、遊びのあるデコレーションに、丈は70センチ前後
ネギの仲間だけあり、茎を切ればネギの匂いがします。
種類によってその匂いには強弱があるようです。
私も以前、切り花の輸入をしていた時、様々なアリウムを入荷しましたが、「匂いがあるから」・・・と敬遠されることもありました。
お花のモチもよく 姿はとても魅力的なだけに、ちょっと残念です。
オランダのお花屋さんでの経験では、クラッシックスタイルにもクールモダンスタイルにもぴったりのアリウム各種は人気があり、匂いについてお客様から問われた記憶はありません。
もちろん お花を飾る場所や利用目的にもよるとは思いますが、”アリウム=匂い”として受け止めているのでしょう。
あくまでも私の経験からですが、オランダの人たちは 我々日本人より、食材としての”ネギ”も ”ネギの匂い”も 好きそうだなぁと 日ごろから感じています。
こちらはデルフィニウムDelphinium(Elatum系、日本ではパシフィックジャイアント系?)。
左:DelphiniumElatum Century
中:DelphiniumElatum StrawberryFair
右:DelphiniumElatum Christel
左:DelphiniumElatum FriqueArr、花びらの重なり具合がかわいい
今回ご紹介したデルフィニウムの中では一番高価でした
中:DelphiniumElatum DeStarlight、色が素敵
右:DelphiniumElatum AuroraWhite、通常はもっと白ですが、写真はちょっとグレイッシュな白
デルフィニウムの品種名は(一部不明なものもありますが)どれも神秘的です。
このブログでデルフィニウムについて書くのは初めて?でしょうか。
Wikipedia情報によると、お花の名前の由来は、つぼみの形がイルカ(ギリシャ語Delphis)に似ているからなのだそうです。
身近なお花なのに、デルフィニウムには興味がなかったのかしら??
今まで調べることもなく・・・知らなかった!!
そんなかわいいストーリーがあるなんて、これからはもっとデルフィニウムにも興味を持とう!
とはいえ、オランダにお花修行で来た当初、オランダのいろいろなお花の姿・サイズ・文化的なことが日本とは違うことも多く、驚いたものですが、デルフィニウムもそのサイズ・カラーバリエーションに驚き魅了され続けていました。
今回ご紹介したもののほとんどが120センチ丈。
背も高く、お花の部分も太く びっしりお花が詰まっていて立派。
そしてなにより”色”とそのバリエーションです。
デルフィニウムの花びらって、蛍光色っぽく(前回に続いてまた蛍光色?)見える部分がありますよね。
”自然”とは思えない色です。
それとオランダには、白がグレイ系だったり、ブルーがグレイ系だったり・・・グレイッシュなカラーバリエーションのデルフィニウムもあり、とってもクール。
グレイッシュ系カラーがミックスで束ねられて流通することもありますが、本当にきれいです。
長い丈のまま 長いガラス花器に スッと数本 シンプルに活けたい 夏のお花デルフィニウムです。
ここからは その他の夏のお花いろいろ。
写真左、デルフィニウムに形状(長い茎に小さいお花がついてる)は似ていますが、ちょっとダークなパープル・ブルー系のトリカブトAconitum/monkshood/Monnikskap、90センチ前後。
根に毒があることで知られる日本三大有毒植物の一つです。
日本でも切り花として流通していると聞きますが、オランダでは今の季節 普通にお花屋さんに並んでいる一般的な夏のお花。
私はお花屋さん時代、このお花を使ってブーケ(花束)を作るのが大好きでした。
ブーケに 渋い(色の)アクセントが入って 締まるんです。
”Aconitumアコニタム”という名前の響き(音の響き)もかわいくて好きです。
また、英語名もオランダ語名も(monkshood/Monnikskap)僧侶の帽子(フード)、や同じような意味・形の別名があります。
日本語名も 鳥兜・烏帽子ににていることから付けられた名前だそうです。
上の写真右は ルピナスLupinus、45センチ前後。
色とりどりでかわいいですね。
私個人的な意見としては、切り花としてよりも お庭に咲いている方が好きです。
写真左:夏のお花代表 グラジオラスGladiolus。
写真右:エレムルスEremurusRobustusサーモン色、100センチ以上です。
今回ご紹介したように、夏は背の高いスッとしたお花が多くなります。
ガラス花器などにスッキリ活けて・・・夏ならではのお花を楽しみたいですね。
まだまだ続きます アールスメーヤレポート・・・次回のお花もお楽しみに。
紹介している写真のお花の品種名は省略名や名前の一部の場合もあります(問屋さんの表記のまま)、記載しているサイズは背丈。
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