IPM2011 ”Just Chris”・・・キクの世界
今年も ドイツ・エッセンEssenにて行われた IPM 2011 国際園芸専門見本市(1月25~28日)に行ってきました。
園芸・種苗・生産関係、流通、フローリスト、ガーデン雑貨・インテリア雑貨・資材関係・・・等、世界47カ国から1508の出展社、訪問者60000人を集う 大規模展示会です。
フローリストとして、輸入業者として・・・いろんな立場でこの展示会を見て歩いていますが、今回ブログではフローリストの立場で見た会場の様子を 何回かに分けて(たぶん) お届けしたいと思います。
今回は・・・
”キクChrysanthemum”を使ったアレンジ・デコレーションのコーナー。
ヨーロッパでも日本でも 流通量は”切り花No.1”といえる”キク”。
日本では”お葬儀”などのイメージが強いお花ですが、種類・咲き方・大きさ・色も豊富で、お花のモチもとても良い・・・本当はもっと活用できるシーンが多いのでは・・・と、私も今となっては 感じてなりません。
その証拠に、ヨーロッパで見る多くのお花イベントでは、必ずといっていいほど ”キク”を使った様々なプロモーション・提案が行われ、 毎回 想像を超えるデザインの豊かさや華やかに驚かされます。
今回 IPM2011会場の 『 JustChris - Moments 2011 』 では、これからご紹介するの3つのテーマで 今年のトレンドが発信・提案されていました。
コーナーで展示されていたフラワーデコレーション・アレンジ作品を、資料からの情報・説明、私の感想等も交えてご紹介いたします。
* HolidayHome
休日の 親しい家族や仲間で過ごす時間やホームパーティが作品のイメージ。
白を基調に、楽しくて優しい雰囲気の配色、ナチュラルテイストの資材(今回の作品はセメントのような素材やペーパー等)を合わせた、チャーミング&フェミニンなデザインが表現されています。
面白いのは、シワ加工(またはシワくちゃにした)ペーパーを使っていることろ。
特に四角いペーパーを何層にも重ねて作ったモダンブーケ(上の下段右写真)は「ラザニアテクニックLasagneTechnic」というのだそうです。
確かに”ラザニア”!!。
それから上の下段中写真の”糸のれん(?)”のような”コードカーテン(ストリングスカーテン)”・・・
ヨーロッパではこのコードカーテン、今回の白に限らず、黒やパープル、ビビッド、パステル系等 様々なカラーのものが、最近では クール&モダンな(クラブ風等)インテリアで使われているのをよく見ます。
お花の世界でも、イベント会場などお花の会場装飾・アレンジ・デコレーションで、お花とコード(カーテン)を合わせたクールな作品を 見かける機会が度々あります。
* Jaipur Dreams
Jaipur・・・とは、インドの都市。
”インド”をイメージした作品です。
オレンジ・ピンク等のビビッド系・暖色系が基調となっています。
資材的には布・木材・ナチュラル素材が組み合わされていることが特徴。
”布”は インドの民族衣装サリーや イスラムのスカーフからのイメージでしょうか。
また、それぞれの作品には、”スパイス(色・花・資材等でのアクセント)”が加えられているとのこと・・・なるほど!
* Serious Glampop
エレガントでクラッシック、英国風テイスト、そして時にボヘミアン・・・私的には ある意味”一番ヨーロッパらしい”テイストのデザインです。
パープル等が基調の 高級感・落ち着きのある配色。
そんな配色に、メタリック系・クラッシックな形や素材の資材を合わせているのが 今年らしいグラマラスな(魅惑的な)特徴だそうです。
文頭の写真、コロッとしたパープル・グリーン系の作品も、このテーマの作品・・・実際には作品の一部・・・背よりも高いモダンな2つのシャンパンゴールド系のベース(花器)に作りこまれたオブジェ風作品でした。
お花のアレンジやデコレーションには・・・”デザイン”(もちろん)だけでなく・・・配色(もちろん)、そしてその他の資材・素材との融合、背景の演出 等も 重要なポイント。
そして作品には それぞれ明確な”テーマ”や”ストーリー”も欠かせません。
IPM会場でも、毎年フローリスト達に人気の『Just Chrys』コーナーからのレポートでした。
さてさて、”キク”による素敵なプロモーション、皆様はどのテーマがお好きでしたか?
・・・ある一定のイメージの強い”キク”・・・そんな”キク”を どんな風にも使いこなせたら、製作するアレンジの幅 と”お花の世界”は確実に広がりそうです。
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