ブーケとユーロとギルダーの関係 SingelBloemenMarkt 2010年9月
9月後半、秋のシンゲル花市SingelBloemenMarkt,Amsterdamレポート後編です。
前回思わずパンプキンの重い出話(思い出話)が長くなってしまったため、2回に分けてのレポートです。
もう9月最終日ですね(汗)。
さて・・・
バラ・ダリア・アンティークアジサイ・実モノ・・・秋色のお花が盛りだくさんのシンゲル花市です。
その中には、もうこんなお花も並んでいました。
そう、”チューリップ”!
生産元で冷蔵庫・冷凍庫で調節して咲かす ”ICEチューリップ”だと思ういますが、半年振りに見るチューリップはやはりかわいいですね。
早速、店頭では地元のお客さん(オランダの方)が「チューリップ何本?いくら?」と尋ねていました。
値札が付いていますが、50本12.50ユーロです。
過去1年間のシンゲル花市の写真を確認したところ、冬~初夏までは50本で8.50ユーロ~10ユーロくらいでしたから、選べるチューリップの種類こそまだぜんぜんありませんが、そんなに驚くほどは高くないですよね。
お花の場合は、この”5セント(1本あたり)”の↑↓が大きいのかな?
日本はやっと秋らしくなってきたところですよね。
オランダは もうすっかり冬のような気候なので、チューリップもその他のお花も 安心して飾れます。
オランダでは、室内のストーブ等の”暖房”や”乾燥”がお花の大敵。
また、屋外ではすでにかなり寒いので、お花によっては 寒すぎるということもありそうです。
シンゲル花市を歩いたこの日は、たくさんのブーケ(作り置き花束)が並んでいました。
といっても特別なことではありません。
普段から作り置きの花束は、シンゲル花市に限らず だいたいどのお店でも用意されています(特に週末前日など)。
いわゆる”オランダ”ビーダーマイヤースタイルの直径25-40センチほどのブーケ(花束)。
このように作り置きして並べる花束は、ごくごく一般的一般向けの花束です。
お値段を見ると・・・20~25ユーロ、良く見ると15ユーロのブーケもあるけど・・・。
なんとっ!!!!作り置きのブーケに 25ユーロ(驚)!!
日本の花束のお値段に比べたらお値打ちだとは思うのですが、オランダでは25ユーロの一般用のブーケは高~い!
1999年~約5年間、アムステルダムのお花屋さんで働いた私から見れば!!!!信じられない驚きのお値段!!!!
当時(働いていた期間の前半)は「ユーロ」になる前の通貨「ギルダー」だったのですが、お花屋さんで”作り置きブーケ”として並べるブーケの平均金額が25ギルダーだったんです。
同じ様なサイズ(直径30~40センチ)、同じ様なお花のボリューム(量)で。
現在の通貨”ユーロ”に換算すると、25ギルダーは11.34ユーロです。
つまり25ユーロっていうと55ギルダー(1ユーロ=2.20371ギルダー)!!??
当時の感覚では、かなり高級ブーケです(汗)。
せっかくなので、通貨がギルダーからユーロに変わった時の思い出話を少し・・・
実際に手元にユーロコインやお札が導入されたのは2002年1月1日から。
オランダではスターターキットのようなものが銀行で配られました。
詳細は覚えていないのですが、ちょうど年末年始旅行へ出かけていたので、旅行から戻ってすぐ 慌てて銀行の窓口へ並んだことを覚えています。
それよりさかのぼること数年、1999年1月1日から(時期はウィキペディア参照)、銀行・証券関係はユーロ表示がスタート。
2001年頃からは、スーパー等小売店(私の働いていたお花屋さんも)の値札表示に、ギルダーとユーロの2つの通貨の表示がされるようになりました。
その頃から、私達も現実的にユーロを意識するように。
「ユーロはギルダーの(数字的には)約半分(2分の1)」・・・と覚えました(1ギルダー=0.453780ユーロ)。
ユーロが日常生活に流通するようになった頃、私の勤めていたお花屋さんでは、作り置きのブーケは12ユーロくらいが平均となりました。
でも、なかなか慣れなくて、12ユーロの”12”を見ると、25ギルダー(”25”という数字)より安く感じてしまうんですよね(見た目のマジック?)。
だからどうしても、安すぎる気がして13~15ユーロの花束を作りたくなるんです(結局 値上がり?)。
そうそう、ユーロ導入時には、お花の競りのクロック(アールスメーヤ花市場の卸の競り)も、メモリの単位が変わり”みんな混乱してる”、”スピードが倍になった”・・・競りで買っていたお花屋さんのボスが、笑って話してたのを思い出します。
(クロックの目盛りは、それまで1ギルダーだったものが1ユーロ(2.20371ギルダー)となり、値段の変動が倍の速さになった)
通貨がユーロになった頃はしばらくの間、ギルダーも併記されていたので、ギルダー感覚で考えることもできたのですが、時間の経過とともに だんだんギルダー表示もなくなり、ユーロ表示のみに。
ちなみにフランスでは今でも、レシートにフランの料金も表示されていますよね(理由はわかりませんが、オランダの方が”変わること”への適応力があるのかな?)。
その頃からです。
オランダの物価が、みるみるうちに”倍”になったと思うのは私だけでしょうか!?
つまりこれまで25ギルダーだったものは、一時期12ユーロくらいになったのですが、気がついたら20~25ユーロくらいに!!!
私が働いていたお花屋さんの作りおきブーケも、11~12ユーロだったものが、しばらく後には13~15ユーロになり、数年後(私がやめた後)には20ユーロなんて花束も見かけるように。
これはお花だけでなく身の回りのものすべて。
食べ物も飲み物も日用雑貨も・・・。
今ではユーロ通貨にすっかり慣れ親しんでいますが、私の頭の中では お花の値段だけは今でもギルダーを意識してしまい、常に 高い!高くなった!と感じています。
話がかなりそれましたが、シンゲルの花市のお花は、おそらくアムステルダムの普通のお花屋さんより 少しお値打ちだと思います。
それなのに、20~25ユーロのブーケが ゴロゴロ並んでいて驚きました。
過去の写真を少し振り返って確認してみたところ、同じお店で数ヶ月前(初夏)は12~13.50ユーロでした。
季節によるものなのか、お花の種類によるものなのか・・・この日だけたまたま高かったのか・・・???
といっても、日本よりずっと安いですけどね。
シンゲル花市・・・季節の花束を見て、”時代の流れ”を 感じずにはいられない日でした。
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