女の子に声をかけられて・・・KinderPostzegelActie
オランダを留守にしていた間にたまっていた郵便物をチェックしています。
日本にいる間、オランダに届く仕事関係の郵便物等はもちろんすぐに処理するようにしていますが、DMなどはそのままためています。
KinderPostzegelActieのクリスマスカード(写真)が、”ちゃんと!”届けられていました。
それは・・・・・・今から数ヶ月前のオランダでの出来事・・・・・・
お花には関係のない内容です。
9月の終わりごろだったか、10月の初め頃だったか・・・記憶は定かではなくなってしまいましたが・・・そんな秋のある日の夕方、近所のいつも通り抜ける小さな公園で、小学生低学年くらいのオランダの女の子に声をかけられました。
実はその日、イヤな事があってブルーな気分で家路を急いでいました。
そんな訳で本当は誰とも話したくない気分だったのですが、女の子に呼びとめられて耳を傾けると、オランダ語で何か説明をはじめました。
オランダではもちろん、普通はオランダ語で話しかけられます。
面倒な時や話したくない気分の時なんかは、そのオランダ語が理解できていても、ズルイのですが、「スミマセン、オランダ語わかりません」とか言って、きちんと対応しなかったりすることもあります(ホント、ズルイですね、スミマセン)。
この日も心に全く余裕がなく、さらりと過ごしてしまおうかとも思ったのですが、女の子がニコニコと一生懸命に話すので、つい(?)話しを聞き始めてしまいました。
私はオランダ語はあまりできませんが、さすがに10年も住んでいると、わかったりもします。
女の子が説明していたことは・・・うわさには聞いたことのあった「子供達の為の子供達による募金活動KinderPostzegelsActie」、学校を通して行っているこの活動のようでした。
普段、オランダ語で会話が進んでも、詳細を知りたい時は英語で聞きなおし、英語での会話に切り替えてもらったりします。
オランダでは皆さん英語ができるので、このように英語に頼って生活をしていると、いつまでたってもオランダ語が上達しません、かなり反省。
ですが、今回の相手は小学生の女の子。
ここまでオランダ語で聞いておいて、いまさら英語で聞きなおすことは出来ませんでした。
「えーっ!オランダ語 わからなかったの?」・・・「今まで一生懸命話したのに!」・・・女の子はそんな風に思い失望するかもしれない。
女の子を裏切りたくなくて、私も頑張って100パーセント オランダ語で(汗)その募金の詳細を尋ね、申し込んであげることに。
学校から持たされただろう申し込み用紙に、私の名前、住所、銀行口座などをその場で書き込み、特別な切手kinderpostzegelセット か クリスマスカードセットを選び、さらに募金額*ユーロ(自己判断)と書き込み、控えをもらって手続きは終わりです。
振り返れば簡単なことなのですが、オランダ語での対応や判らないシステムに ちょっとうろたえました。
実は私、その間中、ずっとある葛藤が・・・。
銀行口座を見ず知らずの人(子供であっても見ず知らずの人は人)に教えても良いものなのだろうか・・・?
しかも自分の口座番号を覚えていないので、こんな道端で財布を出し、口座番号を確認しなくてはならない。
念の為、まわりをキョロキョロ・・・、日本では無防備に過ごしていますが、オランダ(外国)ではそういうわけにもいかず、普段からかなり気をつけています。
さらに、銀行自動引き落としのためのサインまで記載しなくてはならない・・・。
悪用されないだろうか・・・されないとわかっていても、気になる・・・。
とは言え、小額ですし、間違えがあったとしても、仮にだまされたとしても「これも社会勉強」と、割り切りました。
・・・というか、こんな小さな女の子の言っていることすら、1パーセントでも疑ったり、不安に思う私は、人として最悪です!!!!
さらにビックリしたことは、子供が知らない大人に声をかける、そんな平和な国だということ。
しかも女の子にとっては、私は見ず知らずの外国人です。
相手が外国人であってもそうでなくても、そんな偏見持っていないのだと思います。
普段からオランダでは、外国人だから・・・、という扱いをあまり受けないので、とても暮らしやすいと感じているのですが、子供たちにはより一層 そんな偏見がないのでしょう。
そしてさらに、最近の日本はいろんな事件も多く、子供が知らない大人に声をかけることは まず ないのではないでしょうか、日本人同士であってもです。
「知らない人について行ってはいけないよ」とは昔からよく言い聞きましたが、最近は「知らない人に声をかける」のも怖い気がします。
子供が知らない大人と話していたら、日本ではなんとなく”危ない”と感じてしまう今日この頃、ですよね。
オランダと日本・・・社会が根本から違う方向へ向かっている・・・そんな気さえしました。
そして・・・
日本では知られていないかもしれませんが、オランダは募金大国。
子供のときからこんな風にチャリティーに関わっているからこそ、国民がチャリティーに対しての意識が高いのでしょう。
今回の募金活動そのものも尊敬すべきことですが、オランダの子供達の素直さ、そんな子供達を育てるオランダの地域社会、人を信じるということ・・・尊敬する点がいっぱいでした。
それに引き換え いつの間にか、人を疑い、社会は信じられないと思う・・・自分の病んでいる人生観、価値観、考え方を恥じました、大反省。
手続きの最後に、サインを漢字で書いたら、はじめて見た漢字のサインだったようで喜んでいました。
「わーきれいっ、中国語!」って(笑)。
「違うよ、これは日本語だよ!」って、もちろん ちゃんと教えてあげました。
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コメント
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keills様、コメントありがとうございます。
「疑ってしまう」のは、私だけじゃないのですね。
無防備すぎるのもどうかと思いますが、疑いすぎるのも悲しすぎるということに気付かされた出来事でした。
募金しても困っている人にちゃんと届くのか・・・
確かにそんな心配もありましたね、気が付きませんでした。
オランダではその点、信頼しています。
なぜだろ?募金大国だから??
投稿: thura | 2009/01/20 03:25
オランダに戻って、そろそろ落ち着いてきましたか?
イイ話だね〜。
ワタシも「疑う」事が当たり前になってる
今の日本には悲しくなるばかり。
そのくせ、ワタシ自身、
「募金してもちゃんと困ってる人に届くのか?」
って疑ってたり...。
反省だな。
投稿: keill | 2009/01/20 00:42
智羽(Sawa)様、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
コメントありがとうございます。
言いたいこと、感じたことがたくさんあり、支離滅裂な文章になりましたが、伝わったようで良かったです。
社会的「オトナ」を育てる、「オトナ」として接する、「オトナ」として見守る・・・社会環境全てが”できて”いますよね。
私も今更ですが、恥ずかしくない「オトナ」にならなくては・・・!
クリスマスから年始にかけて、氷点下だったオランダも、私が到着してからは穏やかになっています。
東京も寒い日がありますよね。
風邪などお気をつけてお過ごしくださいね。
投稿: thura | 2009/01/19 02:11
thura様
遅ればせながら(ほんとに遅いって(苦笑))あけましておめでとうございます。今年もよろしくです。
さて今日のthuraさんのおはなし、ほっこりしてなんだかしあわせ気分になりました。
公共心というか、社会的に「オトナ」な対応ができる環境がオランダはホントに整ってる感じがしますよね。そんな中だからthuraさんが出会ったこの子のようなコドモ達が育っていくのでしょう、うらやましいことです・・・
今年は記録的な寒さのオランダのようですがお体にお気をつけてお過ごし下さいね!
投稿: 智羽(Sawa) | 2009/01/18 23:23